about  poultry

養鶏場のこと


白石蔵王のふもとで

4代目兄弟を中心に経営しています

たまごを通じて、たくさんの笑顔が生まれることを願う養鶏場です。

 

 

 創業1960年、会社設立2000年。東京から新幹線で約2時間の宮城県内最南端・白石市で唯一の養鶏場を営んでいます。白石市には温泉地や歴史スポットが点在しています。戦国武将・伊達政宗の右腕と呼ばれた重臣、片倉小十郎が居住した地で、再建された居城・白石城、お堀や水路、武家屋敷などのゆかりの場所を見て歩くことができます。竹鶏ファームはこの城下町から車で10分ほど、郊外の住宅地の中にあります。蔵王山麓からの湧水や、ファーム近隣の竹林といった地元の資源も活用しながらニワトリたちを育てています。



竹鶏ファームのお仕事

4万羽を飼育する採卵養鶏場です。
4万羽を飼育する採卵養鶏場です。

 

 養鶏には卵用鶏(レイヤー)肉用鶏(ブロイラー)の種類があり、竹鶏ファームは前者の卵を生産する養鶏場です。約4万羽の飼養羽数は業界内では小規模に位置しますが、農場内に選別やパッキングを行うGPセンター、菓子工房や加工場、直売所、自社配達ができる体制を作ることで生産から販売までを一貫実施しています。

 

 農場から食卓へ鮮度と安全管理をして自分たちで直接お届けするFarm to Table(農場から食卓へ)という考え方があります。械とヒトの目でたまごの品質を確かめながら地域の方々にお届けし、お客様のニーズにできるだけ早く対応できること。また直接お届けできないエリアでも、わたしたちの想いを理解し伝えてくださるお取引先様を通して少しだけ広くお届けすること。これらがより安全でお客様の安心感や健康にもつながっていくものと思います。

 


ニワトリの健康

 

おいしいたまごは健康なニワトリから。

 

 竹鶏ファームで飼育する約4万羽のニワトリたちも、わたしたちと同じ動物であり「命」があります。商い上、産業動物であることは避けられませんが、できる限りストレスを感じず快適に健康で過ごして欲しい。

そんな想いから、30年以上台風や大震災を耐え抜いた旧鶏舎は役目を終わらせ、アニマルウェルフェアと呼ばれる動物福祉の考え方を大切にした鶏舎を採用しています。こだわりの餌・水とともに健康管理にも気を配ることで、元気なニワトリからうまれるおいしい卵をお届けしています。

アニマルウェルフェア鶏舎の採用

 

 導入したドイツ製の鶏舎はいわゆる改良型ケージと呼ばれます。これまでの鶏舎に比べて広いスペースで過ごすことができ止まり木や産卵エリアもあるのでニワトリの行動欲求をより満たすことができます。

害虫を食べたり糞を踏んだりすることなく新鮮な風を通したり自動で温度調節されるこの鶏舎では、時にヒトより快適に過ごしています。

 

 養鶏を商いの面で見れば、鶏舎はとても大きな投資です。限られた敷地でもニワトリの健康管理ができ産卵率も安定しやすいことで、生産性、適正価格、安定供給をより保てるメリットもあると考えています。ニワトリの安全とお客様の安心を両立して行ける方法を考え、今できる最善を継続しながら時代とニーズの合う養鶏にこれからも取り組んでいきます。

 

 強制換羽はしていません

 

 ニワトリの成長と共に、卵は徐々に大きく殻は薄く割れやすく変化し、産卵率も低下します。これらを改善するため、絶食またはそれに近い状態の時期を作ることで換羽期を促し、産卵を向上させる「強制換羽」があります。古くからの畜産技術のひとつですが、竹鶏ファームでは行っていません。

 

防疫・鳥インフルエンザ対策

 

  卵の品質等、通常の検査に加えて鶏の個体検査を定期的に実施し、お客様にご安心頂けるよう管理しています。鳥インフルエンザについては昨今発生数も多くなっておりウィルスの要因が大きいとされていることから、鶏舎への立入をごく限られたスタッフのみに制限し消毒に取り組んでいます。

 

抗生物質投与について

 

 抗生物質や合成抗菌剤といった抗菌性物質は「飼料安全法」の規定により、 大すう(ふ化後おおむね10週間を超えた産卵開始前の鶏および成鶏)に対しその使用が禁止されています。抗生物質不投与を広告表示している卵がお買いものコーナーにあるためご不安に思われたお客様からお問合せいただくことがございますが、国内のたまごは残留することのないように定められていますので安心してお召し上がりください。

 


養鶏場ができること(SDGs)

ありがとうの”わ”がうまれる養鶏場を目指して。

 SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された17のゴールと169のターゲットから構成される国際目標です。気候変動や貧困、格差、不平等など世界に起こっている問題を解決し、2030年まで持続可能でよりよい世界を目指すものとして制定されています。

ニワトリとたまごに囲まれながらたくさんの人に支えられて育った僕らが、これからはニワトリやたまごを通じて、家族や地域、竹鶏たまごを愛してくれる皆さんに恩返しをしていきたい。そんな想いで勤しんでいる養鶏業がこれからの持続可能な社会のためにも貢献していけるものと信じ、今後も取り組んでいきたいと思います。たまご、ソーシャルアクション!



原点は、竹炭

 

 竹鶏たまごのおいしさは、1994年に竹炭を活用したことからはじまりました。地元の竹林に炭窯を作り、切り出した竹で炭作りをしてエサへの添加や水の浄化に活用しています。炭窯の設置や竹林のお手入れには地域の方の手を借り、2016年にはクラウドファンディングを利用して新しい炭窯で1回で約50kgの炭を作れるようになりました。

竹は季節によっては1日1メートルも伸びるほど成長が早く繁殖力も強い植物です。山仕事は人力が必要で効率化がなかなか難しい面もありますが、竹林の手入れで土砂災害や獣害対策につなげ炭窯を継続させることで竹林保全に一役を、地域の手仕事づくりにも貢献します。



地元で、共生社会

 

 地域の特別支援学校から職場実習の受け入れを行い、実践の機会を提供しています。また、季節によって福祉施設のみなさんが竹林の保全作業に加わってくださっています。 

お声をかけていただいたことがきっかけで始まった連携ですが、山仕事が得意な方、工場内業務が得意な方に特性を活かしていただき、わたしたちも気持ちよく働いてもらえるように環境を整えることで働きやすさにも目を向けながら、地域を盛り上げるひとつになればと考えます。

 

<実績>

●宮城県立支援学校岩沼高等学園 様
●社会福祉法人陽公園 様



まいにち、げんきで、おいしく。

 

 こども食堂や災害支援等でたまごを提供しています。2019年の催事店では寄付型飲料「みらいセーキ」の販売、コロナ禍では「出前たまごサービス」も行いました。誰かのおなかを満たし、食事の時間が少しでも楽しい記憶になれたら食にかかわる業を行う者として幸いです。

 世界的には人口が増え2050年には食糧危機が予測されていますが、地元周辺では高齢化や人口減少で離農者が増えており養鶏業も同様です。養鶏を継続していくことは、身近な人の食を守ることや循環農業にも一役買うことができます。竹鶏ファームの鶏糞は有機肥料として大根農家さんへ提供しています。

いずれも小さな養鶏場でできる範囲に限られますが、ハチドリのひとしずくのようにコツコツ継続していきます。



 こどもたちに食を通した教育を。

 

 たまごとニワトリを通して、感謝して食べることをお伝えしたり、地元の高校生向けに経営についてお話しさせていただく社長の人気授業も行っています。快適に食べられる食品が様々な人の手を借りて届けられていることは時として忘れてしまいがちですが、竹鶏ファームのエサを見ても飼料米を提供してくれる地域のお米農家や、おからを提供してくれる企業の存在がなければ成り立ちません。土地のものの大切さ、農業の存在を自分事に感じて頂けることで、より食べ物を身近に感じる時間を共有したいと思います。



トリにもヒトにも優しく。

 

 竹鶏ファームではアニマルウェルフェア(動物福祉)鶏舎と呼ばれるエンリッチドゲージシステムを採用しています。現在の敷地や環境でコストを守りながらできる選択で、産卵エリアや止まり木などニワトリの習性をできるだけ遮らず、糞や害虫との接触を避けられる点に注目し導入しています。

ヨーロッパをはじめとする国々での動物愛護や福祉への関心の高まりにも目を向けながら今できる最大に勤め、ニワトリにもヒトにもできるだけ優しい養鶏を目指します。